ハムスターがいつもより元気がなかったり、便が柔らかい・少ない気がするととても心配ですよね。
実は、ハムスターの下痢・便秘の中には、「すぐ命に関わる」重要な問題が隠されていることがあります。
この記事では、飼育歴30年の私が実際の体験を交えながら、ハムスターの下痢・便秘の原因や今すぐできる対処法をわかりやすく解説します。
ハムスターの下痢や便秘は感染症だけが原因で起こるものではなく、食事・ストレス・臓器不全・老化など、さまざまな原因があります。
放置すると脱水や衰弱につながるため、早期発見と適切な対処がとても重要です。
※ハムスターの実際のうんち(下痢・便秘)の写真を掲載しています。お食事中や嫌悪感がある方はご注意ください。
【緊急度チェック】ハムスターの下痢・便秘で動物病院に連れて行くべき目安
ハムスターの下痢・便秘は、原因によって命に関わる場合があります。

特にハムスターの下痢は、短時間で脱水や直腸脱といった深刻な状態に陥ることがあります。
治療が遅れると完治までに時間がかかるだけでなく、最悪の場合は命に関わることもあります。
以下の緊急度チェックを参考にし、これらの症状が出たら即動物病院に連れていってあげましょう。
| 下痢 | 便秘 | |
| 緊急度:★★★ (大至急受診) | ・水のような便 ・血便 ・お尻が汚れている(ウェットテイル) ・じっとして動かない ・ご飯を食べない ・体重の大幅減少(1週間で5%目安) | ・1日を通して便がほとんどない ・じっとして動かない ・ご飯を食べない ・お腹が張っている |
| 緊急度:★★ (早めに受診) | ・柔らかい便が2,3日続く ・食欲減退 ・毛並みが悪くなった ・水をよく飲む | ・便の量がいつもより少ない ・元気がない ・食欲減退 ・毛並みが悪くなった |
| 緊急度:★ (ご家庭で要観察) | ・柔らかい便 ・食欲や毛並みに問題なし | ・便が小さい ・繋がったうんちをする ・食欲や毛並みに問題なし |
ハムスターの下痢・便秘の症状を見分ける方法

ハムスターにとっての下痢・便秘は、具体的にどのような状態を指すかをご紹介します。
まずはハムスターの下痢・便秘のよくあるサインを把握し、すぐに違和感に気づけるようにしましょう。
ハムスターの下痢のサイン

ハムスターの下痢でみられるうんちの状態は、以下の通りです。
元気なハムスターのうんちは濃い茶色で、乾燥するとやや黒く変化していきます。
サイズには個体差やハムスターの種類でやや違いがあるものの、米粒くらいが目安です。
出来立ては柔らかさが残って少しくっつくものもありますが、軽く押すくらいでは潰れません。
これら以外の便の形状は“異常”だと覚えておいてください。
過去にお迎えしたゴールデンハムスターが、水溶性の便を出した2日後に脱腸し、あっという間に虹の橋を渡って悔しい思いをしました。
それほどハムスターにとって下痢とは危険な症状であり、絶対に軽く見てはいけない状態なのです。
ハムスターの便秘のサイン

実はハムスターも便秘になることがあり、悪化すると以下のようなサインを発します。
元気なハムスターは少量を何度も排泄するため、「便が出ていない・少ない」状態は非常に好ましくありません。
また便秘の原因として、内臓疾患や腸閉塞(ちょうへいそく)と呼ばれる、“腸に異物が詰まった状態”になっている可能性も捨てきれません。
ハムスターはうんちを沢山するので量の変化を掴みにくいですが、日頃からしっかり観察して変化に気付けるようにしましょう
ハムスターの下痢・便秘の主な原因は?
ハムスターの下痢・便秘には、以下のような原因が考えられます。
我が家のハムスターも下痢・便秘を経験し、非常に悩んだ経験があります。
その経験と専門的な知識を交えて、わかりやすく解説します。
細菌・ウイルス・寄生虫による感染症
もっとも深刻な下痢の原因として知られるのは、細菌やウイルス、寄生虫による感染症です。
この場合は早急に対処しないと脱水・衰弱・食欲減退、そして最悪の場合は死に至ります。
(参考元)ハムスターも胃腸炎になる?下痢の原因や予防方法を紹介│【マルカン|PAGE】… / 【ハムスター】3大疾患 下痢かぁ…様子を見ようかな。は危険です!細菌性腸炎① | ガイア動物病院… / ハムスターのウェットテイル – あいむ動物病院 西船橋
ウイルスや細菌は、ほかのハムスターにも感染が広がる可能性があります。
また、人獣共通感染症といって人にも感染するケースがあるため、慎重な対応が必要です。
ストレスや環境変化
ハムスターはストレスや環境の変化にとても敏感で、お迎えして間もない時期は下痢・便秘を起こしやすくなります。
また、頻繁な掃除やレイアウトの変更、温度差などにも影響を受けやすいため、適切な飼育環境で程よい距離感を保つことも大切です。

お迎え直後のストレス性の下痢は「よくあること」です。しっかりケアすればすぐに回復してくれますよ。
薬の影響
薬はハムスターの健康を守るうえで重要ですが、抗生剤などの強い薬は腸内バランスを乱して下痢を引き起こすことがあります。(参考元)ハムスターの下痢

腸内バランスを崩すと免疫力の低下や皮膚炎の悪化など、様々な悪影響があります。
しかし、自己判断で投薬を止めると病気が治らないだけでなく、薬剤耐性菌を生む原因にもなり、かえって状態を悪化させるかもしれません。
もし「薬を飲み始めた後に下痢が出てきた」という場合は、すぐに獣医師へ相談して適切な指示を仰ぎましょう。
食事の偏りや誤食
ハムスターの食事の偏りや誤食によって、下痢を引き起こす場合があります。
生野菜は食物繊維が豊富な一方、大量に食べると消化不良や水分過多で下痢になりやすく、傷みやすい点にも注意が必要です。
またナッツ類や果物、ヨーグルトやパンなどはハムスターの胃腸に負担が大きく、消化不良を引き起こしやすい食べ物の代表格です。
好むハムスターが多いためつい沢山食べさせたくなりますが、ハムスターの健康を守るために正しい食事を心掛けましょう。(参照元)【ハムスターの下痢】原因・治療・家庭での注意点|獣医師が監修|池田動物病院…
内臓の病気や腸閉塞などの病気

ハムスターの下痢・便秘の影には、深刻な内臓の病気や、腸閉塞といった一刻を争う原因が隠れているかもしれません。
| 下痢 | 便秘 |
| ・腸閉塞(トイレ砂や綿、体毛の誤食) ・腫瘍 ・内臓の機能低下 | ・腸閉塞(トイレ砂や綿、体毛の誤食) ・内臓の機能低下 ・腫瘍 ・腹膜炎 |
特に注意したいのは腸閉塞です。
ハムスターは口に入れた小さな物を飲み込んでしまいやすいため、固まるトイレ砂・綿・床材などを誤食して腸に詰まらせることがあります。

長毛種は毛づくろいの際に長い体毛を飲み込みやすく、短毛種に比べて腸閉塞(毛球症)を起こすリスクが高くなります。
また、誤食しやすい綿や布は床材に使わないようにしましょう。
ハムスターの下痢・便秘を悪化させない環境ケアのポイント

ハムスターに下痢や便秘の症状が見られたら動物病院に相談すると同時に、家庭での飼育環境や食事も見直しましょう。
ハムスターは下痢を起こすと脱水に陥りやすいので、食事を工夫して水分を摂取させなくてはいけません。
獣医師からの食事指導を参考にしつつ、好物を上手く取り入れて、効率の良い栄養補給を意識しましょう。
ハムスターの下痢・便秘を悪化させない食事の注意点

ハムスターのうんちに異常が生じたら、食べやすい介護食や嗜好性が高いものを取り入れて体力維持に努めましょう。

獣医師から「食べないよりはマシ」と言われたこともあり、低脂質・低糖質・高たんぱくなチュール類を取り入れるのもおすすめです。
消化に良いものは水分が多く含まれがちになるので、与えすぎにも注意しましょう。
ハムスターの介護食のアイデア・メニューは以下の記事で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
ハムスターにとって適切な環境でケアする
ハムスターに下痢・便秘の症状が見られたら、一定の温度に保たれた清潔なケージでケアをしていきましょう。
特に下痢の場合、便に含まれた菌・寄生虫がケージ内に残っていると、何度も口に入って感染を繰り返します。
下痢では原因菌の多くが熱や乾燥に弱いので、陶器製のハウスを使ってできるだけ毎日熱湯消毒と乾燥を行います。
もちろんトイレも毎日交換しましょう。
とはいえ毎日大そうじをすると縄張り意識が強いハムスターにとっては大きなストレスなので、それ以外は汚れている箇所を徹底除去するイメージです。
スキンシップは極力控え、ごはんとそうじ以外はそっとしておきましょう。
下痢で怖い脱水症状
ハムスターが下痢をすると、便と一緒に大量の水分も排出してしまうため、脱水状態に陥りやすくなります。
ハムスターの脱水症状には以下のような症状が見られます。
食べ物を口にしているなら、ペレットを水でふやかすと同時に水分の摂取も可能でしょう。
しかし食べ物を受け付けていない場合は非常に危険です。
強引に水を飲ませるのは難しいため、場合によっては動物病院で注射器による点滴が必要になるかもしれません。
ハムスターへ点滴ができる獣医師は限られているため、ハムスターおよびエキゾチックアニマルを診察できる動物病院がおすすめです。
【実体験】ハムスターの便秘対策
ハムスターの便が少ないなどの便秘の症状が見られたら、まずはうんちの量と食事量をチェックしましょう。
※医療用オリーブ油とは、調理用のオリーブオイルとは異なる純度100%のものです。調理用オリーブオイルはハムスターに絶対に与えないでください。またオリーブ油を使っての便秘解消はあくまでも民間療法であり、与えすぎると下痢になってしまいます。すべてのハムスターに効果があるわけではありません。
問題なく食べてくれる場合は、キャベツやエン麦などの繊維質を含む食べ物をメニューに加えるのがおすすめです。
ただし極端な食欲減退・衰弱・お腹の張りは腸閉塞の可能性も考えられるため、様子を見るとしても2日が限界です。
違和感を感じたら、すぐに動物病院を頼れるように準備しておきましょう。
ハムスターの下痢・便秘に気づくための心構えと観察ポイント

ハムスターの下痢・便秘を克服するための4つの心構えは以下の通りです。
特に、ハウスの巣材がうんちで汚れていないか、おしりはキレイかなどは毎日チェックするのをおすすめします。
また、見える場所だけでも構わないので、毎日うんちを除去してあげると、量のチェックや比較もしやすいでしょう。
万が一ハムスターの健康状態に違和感を感じたら、その日から症状をメモしておくと、動物病院での診察がスムーズになります。
食事量・飲水量・便の状態・体重・気になる点など、詳しく書き留めておきましょう。
【体験談】ゴールデンハムスターが便秘になったときのこと

ある日、我が家のゴールデンハムスター(ロング/オス/当時1歳)のうんちが極端に少ないことに気が付きました。
同時に食欲と運動量の低下が見られたこと、以前から繋がったうんちをしていたため、体毛による腸閉塞の可能性も考え、念のため動物病院で診察してもらいました。
幸い腸閉塞は起きておらず、獣医師からは「ストレスによる食欲不振で食事量が減り、その結果、便が出なかった可能性が高い」と診断されました。
治療にはステロイドと整腸剤の粉薬を水で溶いて投与しました。
回復以降も定期的に繋がったうんちをしていたため、2日に1回、ふやかしたペレットに1滴オリーブ油を混ぜたものを与えていたところ、徐々にうんちが正常になっていきました。※すべてのハムスターに効果があるわけではありません。
うんちが安定してからはオリーブ油はやめ、乳酸菌タブレット・食物繊維が豊富なエン麦を継続的に与えて腸内環境を保っています。
ハムスターの下痢・便秘の治療費はどのくらい?

ハムスターの下痢・便秘の治療費の目安は初診料含めて3,000円前後ですが、病院・治療法・検査の有無で大きく左右されます。
ここでは実際に支払ったハムスターの下痢・便秘の治療費をいくつかご紹介します。(全て異なる病院です)
| ジャンガリアン (イエロー) | ジャンガリアン (ブルーサファイア) | ゴールデン (ロング) | |
| 症状 | 下痢 | 下痢 | 便秘 |
| 診察料(初診) | 1,200円 | 500円 | 1,210円 |
| 検査料(検便) | 900円 | 500円 | ー |
| 薬代 | 1,000円 | 900円 | 990円 |
| 合計 | 3,100円 | 1,900円 | 2,200円 |
細菌性・ウイルス性の下痢は完治までに長い時間を要します。
長ければ1~2ヶ月間定期的に通院しなくてはいけないので、経済的・時間的にも飼い主さんは大変かもしれません。

治らなくて挫折しそうになるかもしれませんが、根気強く看病を頑張りましょうね。
継続的な治療が必要なため、費用が不安な方は動物病院に問合せすると概算を教えてくれます。
治療の可否と一緒に問い合わせてくださいね。
病院診察時に工夫することは?
弱ったハムスターを動物病院に連れて行く際は、ストレスをかけないように円滑に診察ができるように工夫しましょう。
ハムスターの検便には乾燥していないうんちが必要なので、可能な限り排せつして間もないものをサランラップなどに包んで持ち込みましょう。
持ち込めなかった場合は、診察時に獣医師にその旨を伝えて対処してもらってください。
【まとめ】ハムスターの下痢・便秘は一大事。病院へ相談してすぐにケアをしよう
ハムスターの下痢・便秘の原因・対処について徹底解説しました。
小さな体のハムスターにとって下痢や便秘は致命傷に繋がりやすく、実際、命を落とす子も多い病気です。
大切な家族が苦しまないように正しい飼育方法を心がけるのはもちろん、すぐに違和感に気づけるように観察を心掛けましょう。
毎日の健康チェック・早めの動物病院が命を守りますから、軽い下痢や便秘でも、気になることがあったら積極的に医師に相談しましょう。



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